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あるかどうかを勘案して、線引きするよう指導しているという。
さらに、市町村の中には、経験がないまま道路等の都市決定を行おうとする場合もあり、市町村決定であっても、県が計画決定までの手続を説明し、地域状況の分析のための勉強会なども持ちながら指導することもあるという。また、小規模な町村の場合、図面作成等の実務に不慣れで、提出された図面がちぐはぐであったり、コンサルタントまかせというところも少なくないという。
県は、市町村に対する事務指導のほか、市町村をまたがる広域的な視点から調整を図っており、この機能は重要な役割を果たしている。たとえば、最近の事例では、市町村の境界部における用途地域の指定について調整を図った例(事例1)や、大規模プロジェクトに伴って広域的な視点から施設整備等の構想をまとめた例(事例2)がある。また、市町村をまたがる道路等の都市施設については、しばしば市町村ごとに利害対立があり、単なる足し算ではいかない点を県が調整しているという。さらに、指定都市を含む都市計画(たとえば福岡広域都市計画圏)については、指定都市と近隣の市町村の間に情報収集力等で大きな格差があるため、県が後者の立場を引き上げる形で仲介しているという。こうした点から、県担当者によれば、市町村への権限移譲について、決定権限自体は市町村に移譲するとしても、いざというときに県が調整に入れるよう、承認等のしっかりとした権限が必要だという27)。

 

[事例1]
A町(未線引白地地域)が市域境界に近い地域を近隣商業地域に変えたいという意向をもっていたが、この地域と隣接するB市はすでに市域内に近隣商業地域が多く、当該地域が近隣商業地域になると住環境が乱れ、るという理由で用途換えに消極的であった。県が調整に入り、近隣商業地域に用途換えするかわりに、地区計画をかけて建築行為等をコントロールすることを提案し、調整が図られた。

 

[事例2]
現在福岡市にある九州大学が市の西部地域に移転することとなり、移転に伴って交通アクセスの整備や周辺地域の土地利用への影響が問題になった。周辺市町村は、それぞれの中心地区と大学とのアクセスや自己地域内の施設整備を中心とした構想等を

 

 

 

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